これぞ名作2
乗物絵本の魅力は、機械のもつ外観や型式やデザインなどの形態と、走ったり飛んだりするスピード感、またそれを操る人がいることへの関心といった要素が、物語と絵のなかに巧みに取りこまれ、さらに普段はあまり気がつかない機械の細部が語られたり、絵で見られたりすることにあります。
語り手自身がそうしたことに興味をもちますと、物語の語りに実感がこもり、現実味が増します。
『とべ!ちいさいプロペラき』は、今どき珍しい小型双発エンジンのプロペラ機が主人公で、そのお相手には対象的に四つもジェットエンジンをもった巨大な旅客機が登場します。この大小の比較がまず子どもの眼をひきます。
どんな事件が起きるのでしょうか?
はじめはなんとなく心細そうなプロペラ機の気持ちに、子どもも心配して心を向けるでしょう。
しかしその小型機の気持ちを受けとめて、さり気なくしっかりと支えはげます大きなジエット機の対応に、子どもは安心感をもち、読んでくれている大人の存在をダブらせて、頼り甲斐と温かさを感じとるでしょう。